2002年11月2日()のキノコ









(1)アイカワタケ?
(2)マツタケ
(3)クロカワ
(4)コガネタケ
 今日は午前中少し用があったので、上野森林公園で行われるクラブの観察会をさぼって昼からは最終のマツタケ採りにいそしむことにした。

 昼前、用事を済ませてから近くの神社に行ってみた。
 森林総合研究所で硬いキノコを研究されている服部さんに送ったアイカワタケ?がその後どうなっているか気になったからである。10日ほど前に服部さんに送ったマスタケに近い色合いのキノコはもう出ていなかったが、別の立ち枯れたシイの木にアイカワタケと思われるキノコ(1)が大きな株状になって出ているのを見つけることができた。
 服部さんによると、今まで別種とされてきたアイカワタケとヒラフスベは実は同じ種で、同じ木に夏場にヒラフスベ、晩秋にアイカワタケが出ることもよくあるそうである。そして、ときにはその中間型(基部はヒラフスベ、縁、下面はアイカワタケ)になることもあるらしく、なかなか面白い生態を持ったキノコのようである。今日見つけたものも部分的にヒラフスベ型とアイカワタケ型の形態を持っているように思われた。少し未熟なような気もするが、部分的に管孔も出来ているようなので採集して服部さんに送らせてもらうことにした。
 この神社で少し嬉しい発見がもうひとつあった。 ひからびたマイタケの発見である。
 毎年マイタケを生やしてくれるシイの木がこの神社に1本だけあるのだが、今日見つけたのは別の木だ。 今年はどうもシイに出るマイタケの発生は悪かったようで、何本か知っている木のうち小さなキノコが出たのが1本だけ。この神社のものも今年は全く発生しなかったのだが、別の木に出ているとは・・。 良く探せばもっと出ているのかも知れない。 来年以降の楽しみがほんの少し増えたような気がする。

 午後からは、マツタケ採り仲間のH氏と久々にじっくりとマツタケ探しをし、楽しい時を過ごした。
 H氏は数年前に仕事を定年退職しているので、こまめに山に入れない私に代ってマツタケのシロをしっかりと守ってくれている。(苦笑)
 H氏と私はマツタケのシロを共有している。今日は、今年どこにどんなのが生えたかということをお互いに確認しながら山をひと回りした。H氏がこの辺で大きいのを採ったというポイントを私が探すと、また小さなマツタケを探し出してしまう。ここら辺でも・・というと、また見つけてしまう・・。最近大きなマツタケばかり採っているH氏、小さなやつは目に入らないようだ・・。大笑いしながらシロを巡る。マツタケももう最終の時期であり、午後ということもあって他の人が誰もいないのでこんなことができるのだ。人の多い最盛期には忍者のように振舞わなければならないけど・・。
 今年のマツタケは、数はそこそこであるが大きいものが多かったようだ。まだ傘を開かない幼菌で800g以上のものが見つかったという話も聞こえてきた。
 今日採れたマツタケは全部で5本。写真のマツタケ(2)は少し小型であるが唯一傘が開いていたものである。つい、いつもの習性でさっさと抜いてしまい、「おっと、しまった、しまった・・」などと言いながらまた抜いた穴に差し込んで撮ったのがこの写真である。(笑)
 今日の様子では、まだ半月くらいマツタケは楽しめそうである。見つかる可能性は少ないが、思わぬ場所で大物に出会い、新しいシロが見つかるのもこの時期である。
 マツタケ山では、この他にシモコシ、アミタケ、クロカワ(3)、ケロウジ、トキイロラッパタケなどが少しではあるが見られた。ホンシメジも少し探してみたが見つけることが出来なかった。

 帰りにハタケシメジの場所に行ってみる。
 この場所も発生量は年々少なくなっているようで、キノコもかなり貧弱になってきた。
 ハタケシメジと同じ場所にコガネタケの幼菌(4)が少し出ていた。高さが5cmくらいとかなり小型であったが、コガネタケに間違いなさそうだ。
 湿気の多い場所に出ている良さそうなハタケシメジの幼菌を少し採り、松茸御飯の具の足しにするため持ち帰った。