2002年12月15日()のキノコ









(1)ケシボウズタケ属
(2)イボセイヨウショウロ
 気になっていた紀宝町某海岸のケシボウズタケの仲間を観察するために早朝5時半に家を出発した。帰りに時間があれば10月に黒トリュフが見つかったという場所ももう一度見ておきたかった。
 ケシボウズタケの仲間については、「きのこ雑記」浅井さんの12月8日の「今日の雑記」で若いものが見つかったという記事を見て、こちらでもいっぱい出てきているんじゃないかと想像していたからである。
 紀宝町の海岸には8時半前に到着してしまった。
 時間はたっぷりあったので、じっくりと探してみたのだがケシボウズタケの仲間はさっぱり見つからない。ショウロもまだ表面には出てきていない様子であった。
 1月にケシボウズタケの仲間がたくさんあった場所を少し掘り返してみたが、若いキノコが発生している様子も全くない。僅かに古くなった2個体(1)を砂の中から掘り出したのみである。
 浅井さんもケシボウズタケの仲間に出会ったのは10数年振りという話であるから、毎年同じように発生するものではないのだろう。
 他のキノコも何もないので、10時過ぎには紀宝町を後にした。

 某村某所、トリュフの場所には12時ちょっと前に到着。
 車を止めた場所で食事を済ませからポイントに移動。前回探した時よりも詳しい情報を得ていたので、その辺りを中心に南北の斜面を探してみることにする。
 その前に携帯電話を確認するとアンテナが2本立っていて通話可能。もしも見つかった場合、キノコ仲間のK氏に自慢電話をしなければならないからだ。これで準備は万端。
 辺りは石灰岩がごろごろしていて、土は真っ黒な腐植土。イノシシが掘り返したような痕もあちこちにある。そして土を掘り返していると、あのトリュフ独特の腐った醤油のような臭いもかすかに漂ってくるような気がする。
 1時間半くらい経っただろうか? とても暖かい日だったので額に汗がにじんでくる。私の場合、どうもこの1時間半くらいが根気の続く限界のようだ。トリュフはもう全部イノシシが食ってしまったんだと思えてきて探索を諦めようと思った。
 尾根筋の道のところに戻り、まさかこんなところにないだろうなと思いながら杉かヒノキの切り株の横を2掻きほどした時だった。見覚えのある物体がごろんと転がり出た!
 先ずはK氏に自慢電話。次にごろんと転がり出たのをまた穴に戻して写真撮影。このあたり、とても落ち着いて行動している自分がおかしい。本当は飛び上がるほど嬉しくて、かなり興奮しているはずなのに・・。
 さらに60cmほど掘り進んで大小7個のトリュフが見つかったところで満足して探索は終了。その後30分ほどかけて写真撮影を行った。
 この場所で10月に見つかったものは最終的に吉見昭一先生のところに行ってイボセイヨウショウロと同定されたようで、三重県では初めて見つかったものとなる。今回私が見つけたものも、トゲの長い胞子その他の特徴からイボセイヨウショウロ(2)として間違いないようだ。
 今回の発見で感じたのは、トリュフなんて探せばどこにでもありそうだということである。
 当分、トリュフ探しは続けなければなるまい。(^_^;