2003年6月14日()のきのこ

シイノトモシビタケ(Mycena lux-coeli Corner)
上から見たところ   採ったところ   胞子
 「光るきのこ」シイノトモシビタケを求めて熊野市の某景勝地まで行ってきた。
 昨夜遅く、盛岡から帰ってきたばかりだというのに全く元気なもんである・・。

 シイノトモシビタケの発生場所は、海岸の断崖絶壁の景勝地に続く照葉樹林で、古いスダジイの木が何本か生えている場所。ここは昨年6月18日の読売新聞に掲載された新宮市の楠本さんの美しい写真「光るキノコ」が撮影された場所である。
 かなり腐朽が進んだスダジイの倒木や落枝などにそれらしききのこが生えていたので、手のひらの中を真っ暗にして覗いてみると、ぼんやりと蛍光色に光っているのが分かる。シイノトモシビタケに間違いない!
 大きいものでもカサの径は2cm程度。光りさえしなければ、見なかったことにするきのこの部類に入りそうな地味なきのこであるが、良く見るとひだの縁取りなどとても美しいきのこだ。
 日が落ちて辺りが暗闇になると、幻想的な光があちこちに見えてくる。
 何もないと思っていたところにも幾つか生えているのが分かったり、かなり高い所の枯れ枝や洞の中などにも生えているのが手にとるように分かってしまう。マツタケなんかもこんな風に光ってくれたら見つけやすいのになあ・・。
 辺りには短い周期で点滅する小さなホタルも飛び出した。ヒメボタルだろうか?「光るきのこ」と「光る虫」が全く同じような色で光っている。とても不思議でファンタスティックな光景だ。
 シイノトモシビタケの光はホタルに比べるとずっと弱いけれど、注意しないと見えないほど弱い光りではなかった。

 「光るきのこ」の写真は、デジカメではやはり難しかった。長時間露出によるノイズが多すぎるのと、ピント合わせが難しいためである。
 今回は銀塩を持っていかなかったが、落枝に生えていたものを持ってきて家で撮影をしてみた。うまく写っていたら写真を追加するつもりである。


 → うまく写っていませんでした。(^_^;


発光の様子  並べたところ  かさの断面   顕微鏡写真