訳あって、イボセイヨウショウロの発生場所を通りかかった。
イボセイヨウショウロを採取するつもりはなかったが、冬場に散々掘り返してしまった場所なので、今年も発生するものかどうかとても気になっていた。時期的にはもう十分大きくなっている頃のはずである。
発生場所を確認すると、まだイノシシが掘り返したような様子は無い。そこで今年の1月4日に半分露出して発生していた登山道のど真ん中あたりを少し観察してみた。
するとどうだろう。ほんの少し落ち葉をどけただけで例のイボイボ頭が姿を現わしたではないか。1月4日に発生していた場所から30cmも離れていない場所である。そして、やっぱりここも人が歩く道のど真ん中なので何時踏み付けられるか分らない。仕方なく採取することとした次第である。(^_^;
掘り出してみると、大きさは54×33×38mm程度で、やや細長く、いびつな形をしており、1ヶ所に虫が齧ったような痕が見られた。臭いはやはり何も無い。かすかに土の匂いがするだけであった。
持ち帰って半分に割ってみると、断面はかなり白っぽく非常に美しい大理石模様を見ることができた。この写真がその断面であるが、昨年12月15日採取の
成熟したものの断面と比較するとその違いが良く分かる。これは、子嚢と胞子の成熟度合いによる違いであろう。
顕微鏡を覗いてみると、出来上がりつつある胞子も一部に見られるが、子嚢そのものが出来つつある様子が観察できた。