伊勢湾内の海岸で探し続けてきたケシボウズにやっと巡り会うことができた。
場所は津市の北側にある河芸町の
中津浦海岸。
初めて訪れた海岸であったが植林された若い黒松の防風林もあり環境はなかなか良さそうである。
海岸では犬を散歩をさせている人が意外と多い。犬の糞を避けながら渚に近い海岸線を1Kmほどジグザグに歩いたがケシボウズの姿はさっぱり見つからなかった。
諦めて、やや早足で防風林寄りの草むらを引き返している時に最初のケシボウズが目に飛び込んできた。発生してから2年くらい経っているような古い個体であったが、筒状のとても小さな孔口がありケシボウズタケ(T.brumale)にほぼ間違いないようだ。
大柄のナガエノホコリタケあたりをイメージして歩いていたので、こんな小さなものがよく目に付いたものだと自分ながら感心してしまった。
発生場所には葦に似た植物とコマツヨイグサくらいしか生えていないのもなんだか不思議である。(発生ポイント1)
そのあと、車を止めたすぐ近くにある若い黒松の植林地の辺りを丹念に探してみたら、比較的新しいケシボウズを幾つか見つけることができた。
こちらはコウボウムギなども散生しているが、発生の状況を見ると松の木と何らかの関係がありそうな気がする。ちょうどショウロが発生するような環境でもある。(発生ポイント2)
目が馴れてきたところで、帰りに津市の海岸にも寄ってみたが、やはり無いところには何も無い。スナジクズタケらしききのこが2本あったのみである。
それにしても、なぜだろう? こんなに小さくて木の実か鳥の糞くらいにしか見えない食えもしないきのこに、これほどまで心惹かれてしまうのは・・。
自分でも良く分からない。