2005年1月9日()のきのこ
 
ドングリタケDisciseda subterranea (Pk.) Coker & Couch
津市栗真町屋町

発生環境     採集した個体     胞子
 3日に大量のケシボウズを発見した河芸町の海岸でケシボウズの経過観察をする準備をしてから、そのあと津市の海岸を散策してきた。

 この津市の海岸では4〜5年前から観察を続けているが、昨年、やっと風に飛ばされてきたようなケシボウズを1個体確認したのみであった。今年はどうも発生量が多いようなので期待して歩いてみたが、最初は全く見つからない。海岸の広さの割にケシボウズの発生はきわめて少ないようだ。
 昨年1個体を見付けた手前の若い松を植林した場所で、意外にもナガエノホコリタケの群生が見つかった。大きいものは頭部の径が25mm以上ある特大のナガエノホコリタケである。
 その近くにはまた別のケシボウズの群生が見つかった。河芸町の海岸でも大量に発生していたT.adhaerens(?)のようである。昨年発生したような古い個体も見られたので、どうやら昨年1個体見つかったものはここで発生していたものが風で飛ばされたのではないかと思われた。

 帰り際、小さなケシボウズのようなものを踏んづけてしまったようなので確かめてみたら、ドングリタケの仲間のようであった。這いつくばるようにして辺りを探してみると数個体見つけることができた。ケシボウズのような柄が無く、根のような菌糸束も見られない。誰かがいたずらにそっと砂の上に置いておいたという感じである。強い風が吹けばすぐに飛ばされてしまうのではないだろうか。
 持ち帰って胞子を観察すると、先の平らなトゲを持つ5μm程の胞子が見られたので、ドングリタケ(Disciseda subterranea)として良さそうであった。三重県の海岸では初めて目にする菌である。