2005年09月17日()のきのこ
大台ヶ原


 三重県のレッドデータブック(RDB)に掲載するきのこの写真を撮りに大台ヶ原に行ってきた。
 細かいことをいうと、ここは三重県ではなく奈良県なのだが、ブナ林のきのこを撮影するには大台ヶ原の散策路を歩くのがいちばん手っ取り早いからだ。

 大台ヶ原には家から車で3時間弱で行くことが出来る。夜9時頃に家を出発すると12時前には大台ヶ原の駐車場に到着できるので、そのまま車の中で睡眠をとって、翌朝早くから動き回るというのが人も少なくてベストだ。
 昨夜、到着した頃は明るい月も出ていて良い天気だったのだが、朝方には風が出て雨模様の天気となった。さすがに年間降雨量5,000mm、世界でも有数の多雨地域なのである。(帰りにビジターセンターで勉強したら、大台ヶ原の雨は台風時に集中して降る量が多いようで、そんなにしょっちゅう雨が降ってるということでもないらしい。) 標高1,600mの気温は予想以上に低く、まともな防寒具も持って行かなかったので、夜は凍えそうに寒かった。

 さて、目的のRDB種の撮影である。
 本来なら三脚とマクロレンズをメインに交換レンズも何本か持って散策する意気込みだったのだが、雨交じりの深いガスの中だったので、とりあえずズームレンズを付けたカメラだけを持って歩いてみることにした。(従って、ここにある生態写真は全てズームレンズによる手持ち撮影である。)
 撮影したいきのこはツキヨタケ、ブナハリタケ、ブナシメジ、ヒメベニテングタケといったところ。 散策路周辺はブナ、ミズナラの大木がたくさんあり、散策路上からでもブナの倒木をたくさん観察することができるのだ。
 ツキヨタケかな?と思わせる赤っぽい幼菌はブナの倒木にたくさん見られた。あまりにも小さいものが多いので、最初は違うきのこかと思っていたが、よく見るとやっぱりツキヨタケでいいようだ。大きな立ち枯れたブナの高いところにはもっと大きなのが出ているのが見えた。ブナハリタケらしきものもあるにはあったが、かなり古いものが少し残っているだけだった。もっと早い時期に来るべきだったのだろう。それよりもエゾハリタケらしききのこやサンゴハリタケの姿が美しかった。あまりまともな写真ではないが、なんとかRDB2種の写真を撮ることができたので良かったのかな・・?
 きのこは全体にいろいろ出てきているようであった。なかでもクヌギタケ属のきのこやヌメリツバタケモドキが盛りのようであった。
 下の写真は、今日見られたきのこの一部である。
 これらの他にも、アシベニイグチやヤマイグチの仲間、タマゴタケ、キツネタケの仲間などなど、詳しく見ていけばかなりの種類を観察することができただろう。