2006年11月20日(月)のきのこ
ウロコケシボウズタケ(Tulostoma squamosum Gmelin:Persoon

三重県いなべ市

 静岡県の遠州灘で開催されたケシボウズ合宿の帰り、同行のMさんの案内により9月24日に「みえ・菌輪の会」会員のIさんが発見したウロコケシボウズタケの発生現場を観察することができた。

 発生場所は、標高250m、北東向きに開けた川沿いの林道縁で、コンクリート製の河川堰堤と林道のコンクリート舗装の繋ぎ目当たりである。石灰岩土壌とはあまり関係なさそうだ。南側には急峻な山の斜面が迫っているため日当たりも殆ど無さそうだし、川沿いなので湿気がかなりあると思われる。これまで考えてきたウロコケシボウズタケの発生環境とはかなり違っているようだ。共通する点は、石灰岩質(この場合はコンクリート)の固形物の上に溜まったそれほど厚くはない腐葉土から発生していることくらいである。このような古いコンクリート上の腐葉土からも発生するとなると、そのような環境は全国どこにでも無限に近くありそうだから、ウロコケシボウズタケの探索はますます混沌としてきてしまうのだ・・。

 現地には最初の発見個体の隣でMさんが新たに発見した3本が健在であった。
雨で湿っているせいか頭部がとても大きく見える。湿って柔らかい"ゴムまり"のようになった頭部を指で押さえると胞子を勢いよく吹き出してくる。どうやら落ちてきた雨粒に当たって胞子を飛ばす設計になっているようだ。 頭部は、かなり強く指で押さえてもゴムまりのようにふわっと元に復元する。それがとても面白くなかなか感動的であった。