2006年8月26日、亀山市某山のクサギムシタケを再探索してみたら、かなり古くなった1個体を見つけることができた。古くなって他の菌が繁殖してしまっているみたいだが、子嚢胞子などもある程度観察することができた。

 発生場所は、7月15日に見つけた場所から数メートルほど離れたクサギの根本。
 相当古くなり、子実体はしおれて横を向いているような状態である。子実体の表面は白いカビのようなもの(ボーベリア?)と黒い剛毛を伸ばした菌などに犯されているようだ。子実体の根元は既に腐っているようで、手で触ると簡単に千切れてしまった。
 クサギの木は根元の径が5cm程度とやや太かった。子実体は幹の横に空いた大きめの孔から出てきており、おが屑をクモの糸のようなもので綴った膜で覆われていた形跡があったので、コウモリガの幼虫から発生していたものとしてほぼ間違いないだろう。
 クサギの木がやや太かったこともあり、ホストの採集はしなかった。また来年生えるかも分からないしね・・??
 
 子実体の比較的新鮮な部分を実体顕微鏡で観察してみた。(ステレオ写真は→こちら
 真っ黒な剛毛は比較的均等な間隔で子実体表面に生じている。何か別の菌の2次寄生なのだろうか。冬虫夏草図鑑に掲載されているスケッチにも同じようなものが描かれているのが不思議である。

 半分に割ってみると中は中空で埋生型の子嚢果が不規則に並んでいる。
(それにしても、この実体顕微鏡+デジカメ写真のボケボケ具合は一体何なのだろう?デジカメのモニターを見ながら一生懸命ピントを合わせたはずなのに・・なぜ?? 肉眼ではもちろん極めて鮮明に見えているのですが。)

 子嚢果の断面のアップであるが、やっぱり写真はボケボケ。
 とはいうものの、これがばっちり鮮明に写っていたとしても特段何か変わったものが見える訳ではないのですが・・。