ケシボウズタケ属(Tulostoma sp.)
              2002/01/03 紀宝町

         左の2つを掘ったところ  胞子の写真  発生環境

 左の2つのように普通は頭だけ出して砂に埋もれているようである。
秋に発生したものだろうか、かなり古くなって色あせているものが多かった。

 最初は、ケシボウズタケ(Tulostoma brumale)としていたが、
この写真を見ていただいた「キノコ雑記」の浅井さんから、アラナミケシボウズタケでは?
というご指摘をいただいた。
 (コフキクロツチガキ)と一緒に菌懇会の井口さんに標本を見ていただいたところ、
やはりケシボウズタケよりもナガエノホコリタケやアラナミケシボウズタケに近いようで
ある。

 井口さんの見解を引用させていただくと、


 「とりあえず、ナガエノホコリタケではないかとの印象を持ちましたが、この属は
世界で150種ほど知られており、なかなか手強いグループです(保育社の図鑑では
<139 種ほど>とされていますが、その後に続々と新種が発表され続けています・・・)。」

 「柄の基部が膨れず、かつその表面をおおう毛状鱗片が比較的粗い点で
アラナミケシボウズタケとナガエノホコリタケとの中間のような形質を持っています。
 この二つは変種の関係にあるとされていますが、今回のような中間的形質を持った
標本がたくさん見つかるとすれば、両者の間の変異は連続的なものといえるかもしれ
ません。さらに詳しく調べたいと思っています。」


 と、いうことで、この仲間の同定もなかなか手強いということが分かった。
 もっと若い固体を観察していく必要がありそうだ。

 
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