2004年2月28日()のきのこ

 ヌメリタンポタケとハナヤスリタケ     ツヅレシロツチダンゴ?     トリュフ 
(E5000 F6.7 1/6sec 三脚使用)
 東京山案内人「広尾山荘」の主人、中島稔さんがトリュフ探し指南のためにわざわざ当地に来ていただいた。

 先ずは、白トリュフの実績がある北勢町のポイントをMさんも一緒になって探索した。
 中島さんは関東方面でトリュフの生える場所を30箇所ほど発見されているという。植物にも大変精通しておられ、トリュフが好んで菌根を作る樹種や土質、発生ポイントなどを詳しく教えていただきながら探索を続けた。
 残念ながらこの場所でトリュフの仲間を見つけることは出来なかったが、ヌメリタンポタケとハナヤスリタケが混生しているのを見つけることができた。更にそのすぐ近くではツヅレシロツチダンゴと思われる菌も見つかった。
 これらの処理をMさんに託して中島さんと二人で宮川村某所の黒トリュフの場所に向かうことにした。
 宮川村の発生場所を観察してみると、今までの発生ポイントより道を挟んですぐ反対側の石灰岩の辺りにイノシシが掘り返したような小さな跡があった。その掘り返された土の上を探ってみると、すぐに小さなトリュフが1個転がっているのを見つけることができた。イボセイヨウショウロのように見える。
 中島さんも同感のようであるが、どうもイノシシというのはトリュフを食べるために土を掘っているのではなくて、ミミズか何かを探しているだけのように思える。本当にトリュフが大好物だったら、こんなに食べ残しがあるのはおかしいからだ。それにしても、このようにピンポイントでトリュフのある場所を正確に掘り当てているのは、やはり何らかの因果関係があるのだろう。
 中島さんのトリュフ探しは地面を全く掘らない。道具も落ち葉を掻くだけのごく小さなサライのみである。「掘ってしまうと細根がやられてしまって2〜3年は出ないんじゃないの・・」と言われる。トリュフが地表に頭を出しそうなポイントを選んで、じっくりと観察するというのが中島さんのトリュフ探しのスタイルのようだ。
 しばらく辺りを探索してから、帰りがけにもう一度この場所を見てみたら、中がどろどろに溶けたショウロのようなものが1個見つかった。 「トリュフがこんなふうに溶けるはずないでしょう・・」などと言いつつ半分づつ持ち帰ったものを顕微鏡で見てみたら、それはまさしくイボセイヨウショウロの胞子で満たされていた。