2005年09月23日()のきのこ
宮川村某所


 10月1日〜3日に開催されるきのこ三昧inみえの現地調査のためK氏と宮川村に行ってきた。

 地元のきのこ採りに詳しいIさんにニセマツタケが生えるという山を案内してもらった。林相は、意外にもカシやシイなどの照葉樹を主体としており、コナラなどの落葉樹はほとんどない。しかし、照葉樹林といっても林床は比較的明るく、なかなか感じがいい。地下生菌などがごろごろ埋まっているような感じだ。少し上の方には太い松の倒木があちこちに見られるので、松山から照葉樹林に変遷している途中の山ではないかと思われる。見られたきのこの種類もかなり多く、ざっと見ただけでもヒメコウジタケ、キヒダタケ、ハナガサイグチ、ヤシャイグチ、ホオベニシロアシイグチ、カレバハツ、カワリハツ、アカカバイロタケ、オキナクサハツ、ニワタケ、ケロウジ、コガネニカワタケなどを見ることができた。ケロウジが全くマツのない場所に出ていたのがとても不思議であった。
 Iさんに最近ニセマツタケを採ったと言う場所に案内してもらう途中、後続のK氏がなんだか叫んでいる。少し戻ってみると、コウボウフデがあったというではないか!場所はさっきIさんと私が跨いできたはずの通路上である。最近発生したばかりの比較的若いコウボウフデであるが、子嚢が確認できるような幼菌は見つからなかった。さらにニセマツタケを採ったという場所の近くでも、もう1群のコウボウフデが見つかった。(今度は私が発見) じっくり探せばもっとたくさん見つかるかも分からない。非常に興味深い場所だが時間がないので次に向かうことにした。
 その他の場所も2〜3箇所確認し、最後に総門山の林道を上ってみた。非常に驚いたのは、昨年9月末の台風でずたずたに傷ついてしまった林道の復旧がほぼ完了していたことである。(写真) 後はアスファルト舗装を残すのみといった感じである。これにより、1時間半以上かけて歩かねばならなかったポイントに車でいっきに行くことが出来るようになるので非常に有り難い。総門山上部でもきのこはいろいろ出始めている様子であった、ムレオオイチョウタケ、ツエタケ、フウセンタケ属、トキイロラッパタケなどを見ることができた。しかし、ここのポイントで3年間発生を続けてきたコウボウフデは発生を確認することができなかった。昨年発生していた個体もかなり貧弱だったので、遂に息絶えてしまったのかも分からない。