久しぶりに海岸の定点観測に行ってみたら、すっかり春というかもう初夏の様相に変わっていた。先ず驚くのは植物の成長ぶりである。おかげで経時観察用の個体を探すのに随分と時間がかかってしまった。それにケシボウズ自体も頭だけとれて転がっている状態のものが随分と多くなったようだ。いつまで観察が続けられるか分からないが、まだしばらく観察は続けてみたいと思う。
困ったことに暖かくなると普通の人も海岸にやってくるようになる。今日は潮時が良かったのか、潮干狩りにきている家族連れも多かった。なかには砂浜に椅子を持ってきてのんびりと新聞を読んでいる老夫婦や今釣ったばかりの大きなボラを持っていかんか?と勧めてくれる人などもいた。相変わらずなのは、浜辺の若い黒松林の中でゆったりと暮らしている海岸生活者と首をきょろきょろさせながらせかせか歩いていく怪しい海岸探索者だけである。
そのおかげだろうか、今日は嬉しい発見がひとつあった。津市の海岸でショウロが見つかったのだ。植栽されて10年も経っていないような若い黒松林である。どこからか胞子が飛んできたのか、それともずっと以前にあった胞子が残っていて発芽したのか。いずれにしても環境さえ整えてやればきのこはそれなりに復活してくるものらしい。