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おけら日記

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2005-04-03(Sun)

ハクモクレンの菌核菌

車を走らせていると、あちこちで満開のハクモクレンの花が目に飛び込んでくるので、車を止めてふらふらとハクモクレンの樹下に行ってしまった。するとやはりモクレンの樹下に発生する菌核菌がたくさん発生している。今まで見馴れているツバキンよりも赤味が強く華奢な感じだ。時間があれば家で検鏡しようと思い幾つかの個体を採集してみたが、土や落ち葉などから直接生えているような感じで、菌核に繋がっているはずの根っこ(?)は何もないような感じだった。


2005-04-09(Sat)

オオセミタケ

親戚の家を訪ねたついでにオオセミタケの発生を確認してきた。

毎年オオセミタケの発生する坪がその親戚の家のすぐ近くのあるのだ。その坪は大きな桜の木を取り囲むように残された5×3mくらいのごく小さな一角である。今年のオオセミタケはもうすでに盛りを過ぎてしまった感じであったが、胞子を盛んに放出している数本の固体を確認することができた。初めて見つけた年から数えてもう5年目になるが、一向に衰えることなく毎年発生を続けているようだ。次々と新しいホスト(アブラゼミ)が供給されているのだろうか・・。(写真を渓谷の掲示板に投稿させていただいた。)

そのホストを養っている桜の木は今まさに満開の花を咲かせていた。


2005-04-10(Sun)

藤原岳登山

今日は久しぶりの山歩きをしてきた。早春の藤原岳、本命はもちろんウロコケシボウズタケなのだが、無くてもアネモネタマチャワンタケが見られたらいいなあという思いで1000m程の標高差をがしがしと登っていった。先日、緊急入院騒ぎを起こした心臓は快調そのものだ!それに毎朝の階段昇りで鍛えている(?)足腰の調子もなかなか良い感じ・・。それにしても朝が早かったせいか他の登山客がほとんどいないので、まるで藤原岳を独り占めしているような贅沢な登山であった。少し残念だったのは、ガスがかかっていたために見通しがきかずウロコケシボウズをあちこち探し回れなかったことだ。それでもアネモネタマチャワンタケは幸運にも見つけることができた。それは意外に頂上付近の比較的明るいフクジュソウの群落の中にあった。そうか「アネモネタマチャワンタケはフクジュソウからも出るんだ!」と思ったが、家に帰って調べてみると、どうもそうではないらしい。恐らくイチリンソウ属のアズマイチゲか何かが生えていた場所であったのだろう。藤原岳の上部は石灰岩がごろごろした場所があちこちにあり、ウロコケシボウズが生えていてもおかしくない環境はいくらでもあるのだが、やっぱりこいつはそう簡単には見つからないものなのだ。

昼頃には頂上付近を後にしたが、その頃になると登山道は色とりどりの団体の登山客らでごった返していた。

写真を「あやしいカメラ日記」の方に掲載した。(ちょっと重いけど・・)


2005-04-13(Wed)

アミガサタケ不作?

久しぶりに昼休みのきのこ観察に行ってみた。

一昨年、アミガサタケがたくさん生えていた桜の下にはそれらしきものは何も出ていない様子であった。昨年もそうであったが、今年もアミガサタケは不作のような気がする。花見で賑わう公園で目にしたきのこはエノキの切り株にたくさん発生しているアラゲキクラゲとコナラの落枝に付いていたタマキクラゲくらいのもんであった。


2005-04-20(Wed)

玉手箱をいただいた

福島のSさん(Mash Roomのpicoさん)から、きのこの顕微鏡観察等に使う薬品類いろいろと、こちらでは見ることのできないオオズキンカブリタケの入った「玉手箱」を送っていただいた。感謝感激!

オオズキンカブリタケの方は早速大あわてで検鏡してみたが、どうもやはり上手な切片が切り出せない。いくら高級な顕微鏡やレンズを持っていたとしても、肝心のプレパラートが上手く作れないとどうにもならないのである。修行あるのみか・・? 薬品類の中には濃硫酸や100%アンモニアなどというちょっと恐ろしげなものや、永久プレパラート作成用の封入剤などもある。ぼちぼちと試してみよう。ふふふ・・。


2005-04-23(Sat)

春の海岸は賑わっていた

久しぶりに海岸の定点観測に行ってみたら、すっかり春というかもう初夏の様相に変わっていた。先ず驚くのは植物の成長ぶりである。おかげで経時観察用の個体を探すのに随分と時間がかかってしまった。それにケシボウズ自体も頭だけとれて転がっている状態のものが随分と多くなったようだ。いつまで観察が続けられるか分からないが、まだしばらく観察は続けてみたいと思う。

困ったことに暖かくなると普通の人も海岸にやってくるようになる。今日は潮時が良かったのか、潮干狩りにきている家族連れも多かった。なかには砂浜に椅子を持ってきてのんびりと新聞を読んでいる老夫婦や今釣ったばかりの大きなボラを持っていかんか?と勧めてくれる人などもいた。相変わらずなのは、浜辺の若い黒松林の中でゆったりと暮らしている海岸生活者と首をきょろきょろさせながらせかせか歩いていく怪しい海岸探索者だけである。

そのおかげだろうか、今日は嬉しい発見がひとつあった。津市の海岸でショウロが見つかったのだ。植栽されて10年も経っていないような若い黒松林である。どこからか胞子が飛んできたのか、それともずっと以前にあった胞子が残っていて発芽したのか。いずれにしても環境さえ整えてやればきのこはそれなりに復活してくるものらしい。


2005-04-30(Sat)

夏のような日々

午前中、ハルシメジとキツネノワン・ヤリの発生場所を見に行ってきた。しかし、どうもこのところのカラカラ天気のせいか、きのこの発生はあまり芳しくないようだ。ハルシメジは、湿気の多い場所のものがもうかなり大きく成長していたが、発生量は例年の10分の1にも満たないのではないだろうか。そして、キツネノワン・ヤリに至っては遂に1本もその姿を見つけることができなかった。下草が茂りすぎたせいもあるのだろう。確かに年々発生量は減っていたのだが、それにしても全く見つからないというのは腑に落ちない。単に自分の視力が衰えてきただけかも知れないなあ・・。

昨日、今日と、いっきに真夏のような陽気となり、車の中はクーラーを効かさないと、とても乗っていられないような状態であった。また暑い夏がやって来るのかと思うと少し気が重くなる。暑くも寒くもなく快適な気候というのは、あっという間に通り過ぎてしまうものなのだ。